【難問】x^p+y^p = p^z

面白い問題集

問題

一見フェルマーの最終定理に見えますね。

今日のはもし大学の入試問題だとしたらかなり難しいと思いますよ~!

\[x^p + y^p = p^z\]

を満たす自然数\(x, y, z\)と素数\(p\)をすべて求めなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解説

どっから手をつけたらいいんだろうって思った人も多いんじゃないでしょうか?少し長い解説になるかもしれませんが、ゆっくり理解してください!

まずは整数問題の基本の因数分解です。左辺は因数分解できそうですね。でも\(p\)は素数とはいえ、\(p = 2\)のときは因数分解はできません。そこで\(p = 2\)のときとそれ以外の時で場合分けします。まずは

\(p = 2\)のとき\[x^2 + y^2 = 2^z\]となります。そして\(x\)が2の倍数ではない場合を考えます。つまり\(x\)が奇数のときです。このとき\(x^2\)が奇数で\(2^z\)は偶数なので、\(y^2\)は奇数となります。このとき\(y\)も奇数となるので自然数\(a, b\)を用いて
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
x = 2a – 1 \\
y = 2b – 1
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
と表すことができます。このとき左辺は
\begin{align}
(2a – 1)^2 + (2b – 1)^2 &= 4a^2 – 4a + 4b^2 – 4b – 2 \\
&= 4(a^2 – a + b^2 – b) – 2 \\
&\equiv 2 \bmod 4
\end{align}
となり、左辺は4で割ると2余ることがわかる。右辺も同様にならなければならないので、\(z < 2\)、つまり\(z = 1\)であることがわかった。
\[x^2 + y^2 = 2\]
を満たす\((x, y)\)は\((1, 1)\)のみなので、解の1つは\((x, y, z, p) = (1, 1, 1, 2)\)となります。\(x\)が2の倍数であるときは後で説明します!

\(p \geq 3\)のとき

まずはさっきと同じように\(x\)が\(p\)の倍数ではないときを考えてみます。このとき、\(y\)も\(p\)の倍数にはなりません。(両辺\(bmod p\)をしてみればわかります!)

\begin{align}
x^p + y^p &= (x + y)(_{p-1}C_0x^{p-1} – _{p-1}C_1x^{p-2}y + \cdots + _{p-1}C_{p-1}y^{p-1}) \\
&= p^{z}
\end{align}
と因数分解できる。右辺の因数は\(p\)のみなので
\[x + y = p^n\]
と表すことができる。このとき\(y = p^n – x\)より、\(a = p^n\)とすると
\begin{align}
x^p + y^p &= x^p + (p^n – x)^p \\
&= x^p + _{p}C_{0}a^p – _{p}C_{1}a^{p-1}x + \cdots + _{p}C_{p-1}ax^{p-1} – _{p}C_{p}x^{p} \\
&= _{p}C_{0}a^p – _{p}C_{1}a^{p-1}x + \cdots + _{p}C_{p-1}ax^{p-1} \\
&= a(_{p}C_{0}a^{p-1} – _{p}C_{1}a^{p-2}x + \cdots + _{p}C_{p-1}x^{p-1})
\end{align}

カッコの中に注目してみましょう。\(x\)は\(p\)の倍数ではないので、\(x^{p-1}\)は\(p\)の倍数ではないので\( _{p}C_{p-1}x^{p-1} = px^{p-1}\)は\(p\)では割り切れるが\(p^2\)では割り切れません。また、それ以外の項は\(p^2\)の倍数となっています。だからカッコの中は\(p\)では割り切れるが\(p^2\)では割り切れません。そして右辺は\(p^z\)であるので\[_{p}C_{0}a^{p-1} – _{p}C_{1}a^{p-2}x + \cdots + _{p}C_{p-1}x^{p-1} = p\]であるとわかります!!

よって\(a = p^n\)であるので、
\begin{align}
x^p + y^p &= p^{n+1} \\
x + y &= p^n \\
\end{align}

であることが分かりました!だいぶ進みましたね(笑)ここで一旦休憩です。

 

では続けていきましょう!

整数問題において因数分解の次に大事なのは範囲の限定です!与式からなんとなく\(p \leq 3\)なんじゃないかな~って予想してください(笑)予測の仕方は値を適当に代入しまくるしかないんじゃないですかね。

では逆に\(p \geq 5\)のときは成り立たないことを証明します。このとき
\begin{align}
x^p + y^p &= x^p + (p^n – x)^p \\
&\geq x^5 + (p^n – x)^5 \\
&= x^5 + a^5 – 5a^4x + 10a^3x^2 – 10a^2x^3 + 5ax^4 – x^5 (a = p^n) \\
&= 5ax^4 – 10a^2x^3 + 10a^3x^2 – 5a^4x + a^5
\end{align}
ここで\(f(x) = 5ax^4 – 10a^2x^3 + 10a^3x^2 – 5a^4x + a^5\)として\(f(x)\)の最小値を求めてみましょう。
\begin{align}
f^{\prime}(x) &= 20ax^3 – 30a^2x^2 + 20a^3x 5a^4 \\
&= 5a(2x – a)(2x^2 – 2ax + a^2)
\end{align}
\(2x^2 – 2ax + a^2\)の\(x\)の解は虚数となるため、\(x = a/2\)で最小値を取ることがわかります。(増減表書いてもいいかも)
このとき\[ f(\frac{a}{2}) = \frac{a^5}{16}\]となる。上の不等式に戻ると
\begin{align}
x^p + y^p &= x^p + (p^n – x)^p \\
&= 5ax^4 – 10a^2x^3 + 10a^3x^2 – 5a^4x + a^5 \\
&\geq \frac{a^5}{16} \\
&= \frac{p^{5n}}{16} \\
&> p^{n+1} (p \geq 5のとき)
\end{align}
であるので、\( x^p + y^p = p^z \)を満たす\((x, y, z, p)\)の組は存在しないとわかります。
てことで\( p \geq 3\)であるので、\( p = 3\)ということがわかりました!!大きな進歩ですね、ゴールが見えてきました!!

\( p = 3\)のとき
\begin{align}
x^3 + y^3 &= 3^{n+1} \\
x + y &= 3^n
\end{align}
となります。このとき、
\begin{align}
x^3 + y^3 &= (x + y)^3 – 3xy(x + y) \\
&= 3^{3n} – 3^{n+1}xy = 3^{n+1}
\end{align}
両辺\(3^{n+1}\)で割ると
\begin{align}
3^{2n – 1} – xy &= 1 \\
xy &= 3^{2n – 1} – 1
\end{align}
となります。
\begin{align}
x + y &= 3^n \\
xy &= 3^{2n – 1} – 1
\end{align}
より、\((x, y)\)は\( t^2 – 3^n + (3^{2n-1} – 1) = 0\)の2解であるとわかります。名前は解と係数の関係だっけ(笑)
判別式を\(D\)とすると
\begin{align}
D &= (3^n)^2 – 4(3^{2n-1} – 1) \\
&= 3^{2n} – \frac{4}{3}3^{2n} + 4 \\
&= -3^{2n-1} + 4
\end{align}
\(x, y\)は実数なので\(D \geq 0\)となる。よって\(n\)は自然数なので\(n = 1\)とわかります。このとき\[ t^2 – 3 + 2 = (t – 1)(t – 2) = 0\]より、\[t = 1, 2 \]
これは\(x, y\)であるので解は\[(x, y, z, p) = (1, 2, 2, 3), (2, 1, 2, 3)\]であるとわかります。

ラストスパートです。

最後に\(x\)が\(p\)の倍数である時を考えてみましょう。このとき\(y\)も\(p\)の倍数となるので、整数\(a, b\)を用いて
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
x = ap \\
y = bp
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
と表すことができます。このとき
\begin{align}
x^p + y^p &= (ap)^p + (bp)^p \\
&= a^p\times p^p + b^p\times p^p = p^z
\end{align}
両辺を\(p^p\)で割ると\[a^p + b^p = p^{z-p}\]となります。これは
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
x ← a \\
y ← b \\
z ← z-p
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
とすると元の式に帰着することができます。このとき\(x\)が\(p\)の倍数であるならば同様に両辺を\(p^p\)で割ることができます。逆に\(p\)の倍数でないならば解は\((x, y, z, p) = (1, 1, 1, 2), (1, 2, 2, 3), (2, 1, 2, 3)\)であるとわかります!
これを数式に表します!\(x\)や\(y\)は\(p^p\)で任意の回数割れば\((x, y, z, p) = (1, 1, 1, 2), (1, 2, 2, 3), (2, 1, 2, 3)\)のいずれかにたどり着くので
\begin{eqnarray}
(x, y, z, p) = \left\{
\begin{array}{ll}
(2^n, 2^n, 1+2n, 2) \\
(3^n, 2\times 3^n, 2+3n, 3) \\
(2\times 3^n, 3^n, 2+3n, 3)
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
これが答えです!!

いや~、長かったですね(笑)
でも美しさといい、この問題は大好きです。質問や感想などあればコメントください~!!

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